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研究会概要
ロングスパンとは
・ロングスパンの長所
・開発の基本方針
・開発に対する支援
・研究開発の主な
 メンバー
技術情報
・特徴
・適用・設計条件(性能)
・形状(構造)
・まとめ
重錘衝突実験による
安全性検証ビデオ
施工実績
製品等の施工状況等の写真
 

ロングスパンとは

ロングスパンとは,落石対策技術研究会で開発を実施してできた新しいタイプのポケット式落石防護ネットです。従来のポケット式落石防護ネットに比べて下記のような長所を持つ製品を目指して開発を行ないました。


■ロングスパンの長所
● 支柱間隔を地形に合わせて長くできる
 従来のポケット式落石防護ネットでは支柱を3m間隔に設置し,その支柱にネットを吊したワイヤケーブルを固定していますが,支柱間隔が狭いので,落石の直撃を受けて支柱が破損するという事故が発生しています。  ロングスパンは,地形条件に合わせて支柱間隔を15m〜30mの範囲で3m間隔で変えられる構造にしています。支柱は沢部を避けて設置できるので,落石が支柱を直撃する恐れや,落石がネットを飛び越える恐れはなくなります。
● エネルギー吸収性能を高める
 従来のポケット式落石防護ネットは,ワイヤケーブルの伸びと金網の変形で落石の運動エネルギーを吸収する構造になっていますが,自ずと可能吸収エネルギーに限度があります。  ロングスパンでは,横ケーブルに緩衝装置を取り付けることで,従来の防護ネットよりも数倍大きいエネルギー吸収を可能にすることができます。  落石の運動エネルギーは,斜面の下方ほど一般に大きくなりますが,エネルギー吸収性能が高いと道路脇にネットを設置して落石をキャッチすることができます。そのため、民地を買収したり借地したりしなくても道路敷地内だけで落石対策ができることになります。ロングスパンはこのようなことを目標にして開発しました。
● コストパフォーマンスに優れる
 実物実験を繰り返し行い,必要な部材は強化・補強。不要な部材を省くことで,コストを削減することができました。


■開発の基本方針
 ロングスパンは,下記の基本方針のもとで開発しました。
● 実物大実験によって性能を明確にする
 従来の落石防護ネットは,エネルギー吸収のメカニズムやエネルギー吸収性能が実物大実験などの信頼できる方法で検証されていません。ロングスパンは,公開実物実験を行って性能を確認しました。
● わが国の研究者や専門技術者の知恵を結集
 ロングスパンの基本形状は,落石対策工事の専門業者として40年間の経験を持つ田中工業(株)の田中会長の考案によるものです。それに,斜面防災,落石対策の面でわが国を代表する研究者や技術者が知恵を出し合って,コストパフォーマンスに優れた理想的な落石防護ネットとすることを目指して行いました。 さらに,道路管理の経験のある技術者の方にも参画していただいており,維持管理の立場からご意見や助言をいただいてい開発しました。
● 地域の活性化に貢献する
 公共事業はピーク時の1/3まで減少し,高知県などの地方は疲弊しきっています。私たちが調達できる資金は限られています。資金力では大手企業に太刀打ちできませんが,地方に住んでいる産官学の皆様のお力添えをいただいて,ロングスパンを地方で製作し,施工することで,少しでも地域振興,雇用の創出に貢献できればと考えています。


■開発に対する支援
 ロングスパンの開発に対しては下記の団体から助成金等物心両面のご支援をいただきました心より感謝申し上げます。
● 高知県からの支援
 ロングスパンの開発メンバーである田中工業(株)は,ロングスパンの研究開発に対して「頑張る企業」として認定を受け,頑張る企業総合支援事業費補助金の交付を受けました。
● 四国建設弘済会からの支援
 愛媛大学の木下尚樹助教と潟鴻Cヤルコンサルタントの筒井秀樹社長の共同研究「地震時・豪雨時落石対策ロングスパンポケット式ロックネットの開発」に対して四国建設弘済会から助成を受けました。


■研究開発の主なメンバー
ロングスパンの研究開発に関わっていただいた主なメンバーは下記の通りです。


●これまでの試験及び実験結果
 これまでに、3回の公開実験を含む10回の実物実験を繰り返し、失敗も踏まえて改良を重ねて、9,10回目の実験は、で400KJレベルの可能吸収エネルギーを確認しました。






■これまでの研究経緯
LS-DYNAによる大変形応答解析
 実物実験の結果を基に,動的FEM解析の代表的ツールであるLS-DYNAを用いてシミュレーション解析を実施し,性能を検証しました。